クローズアップ
●2012年の映画を振り返る座談会
●シネ・ウインド会員選出ベストテン2012
●発表! シネ・ウインド演劇賞2012
もくじ
1〜2 スケジュール表 料金表 もくじ
3〜12 シネ・ウインド インフォメーション
「千年の愉楽」
「カリフォルニア・ドールズ」
「〜放射線を浴びた〜X年後」
「100万回生きたねこ」
「サイド・バイ・サイド—フィルムからデジタルシネマへ」
「希望のシグナル—自殺防止最前線からの提言」
「命をつなぐバイオリン」
「永遠と一日」
「セブン・デイズ・イン・ハバナ」
「ワンナイト、ワンラブ」
「天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”」
13 事務局通信
14 来館レポート
*渡辺智史監督(「よみがえりのレシピ」)
イベント報告
*「モンサントの不自然な食べもの」トーク
15〜16 デジタルシネマ設備募金プロジェクト
現状報告、アンケート・コメント紹介
17〜20 2012年の映画を振り返る座談会
21〜22 シネ・ウインド会員選出ベストテン2012
23〜24 発表! シネ・ウインド演劇賞2012
25 楽しかった水と土の芸術祭 その3(最終回)
26 声風—SEIFU—
どこにも無い場所82 鈴木良一
記憶の箱から 82 福島市男
27〜28 ピックアップ情報
南の果てより愛をこめて 289 恩田雅和
29 ピックアップレポート 編集後記
スタッフコメント
今年の「安吾賞」授賞式も、無事に終了した。「安吾の会」事務局として、1月〜2月はてんてこまい。新年会・安吾忌、そして安吾賞とたて続く忙しさも、ひと段落か(プライベートはそうもいかないけれど)。
若松孝二監督の「安吾賞」受賞を知ったのは昨秋だった。また新潟で若松監督にお目にかかり、あの歯に衣着せぬことばの数々を聞ける、と楽しみにしていた。その矢先10月17日に監督は急逝してしまう。政権再交代、原発問題などいらだちを憶えるこの国に、
若松監督はどのように異議申し立てをするのか、その映画とことばから体感したかったのに…。
私は三度若松監督にお逢いすることが出来た。新潟駅の新幹線ホームで齋藤代表とがっちり握手する姿。「撮りたいものが次々湧いてくるんだよ」ということば。喧々諤々、老若男女が議論し合う宴席で、楽しそうに論戦を聞いている表情。そして、一対一でインタビューした際の、若造だからと手を抜かず、しっかり答えを返してくれたときのこと。きっと撮影現場の一員としてなら怒鳴られっぱなしだろうが、新潟でお会いする若松監督からは、その優しさを強く印象付けられた。「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を観終え、感激のあまり「ありがとうございます」と声を掛けてしまったことが、思い起こされる。
「安吾賞」授賞式では井浦新さんの「若松孝二を継げる者はいない」の言が胸に刺さった。「若松孝二も、坂口安吾もその本人にしか出来ない生を送った」。要は、人の威を借りずに、己のあるがままに生きようという意味だろう。若松監督に多少なりと関わりを持てたことを胸に、生き方を考えてゆきたい。 (久志田喜八郎)